細胞治療のための非標識・非破壊単一幹細胞分析技術の開発
国立大学法人九州大学 大学院工学研究院応用化学部門(機能)
教授
加地 範匡氏
※ 所属、役職等は受賞当時のものです
研究概要
次世代医療の中核を担う技術として期待される細胞医療※1において、細胞移植前にその細胞自体を検査して安全性を担保することは必要不可欠である。しかし、これまでの細胞診断法は、細胞に蛍光タンパク質を導入し、その発光を利用して確認する方法(蛍光タンパク質標識)や、細胞を破壊して内部のDNAをPCRなどにより分析する方法が中心であり、診断後の細胞をそのまま細胞医療へ臨床応用することが難しいといった課題があった。加地氏は、マイクロ流体デバイス※2に細胞と同程度の大きさの微小空間を配置して電流・光学同時計測システムを組み合わせることで、細胞の硬さや柔らかさといった機械的特性を単一細胞レベルで非標識・非破壊かつ高速で計測する技術を開発した。これにより、1細胞あたり数ミリ秒~数十ミリ秒※3という非常に短い時間で細胞が体の様々な組織や臓器に変化する能力の評価やがん細胞の選別に成功した。本技術は、細胞の全数検査を可能にし、細胞医療におけるスクリーニング法※4や臨床応用前の細胞の品質保証・安全性向上に貢献することが期待される。
1 細胞医療: 患者本人や他者由来の細胞を移植することにより、ケガや病気で失われた体の組織や機能を回復させる治療法。
これまで治療が困難であった疾病への有効なアプローチとして期待されている。
2 マイクロ流体デバイス: 微細な流路内で液体を精密に制御・操作する装置。細胞操作や化学反応、診断などに用いられる。
3 1ミリ秒: 1/1000秒。
4 スクリーニング法: 大量の候補の中から対象を効率的に選別する方法のこと。
1 細胞医療: 患者本人や他者由来の細胞を移植することにより、ケガや病気で失われた体の組織や機能を回復させる治療法。
これまで治療が困難であった疾病への有効なアプローチとして期待されている。
2 マイクロ流体デバイス: 微細な流路内で液体を精密に制御・操作する装置。細胞操作や化学反応、診断などに用いられる。
3 1ミリ秒: 1/1000秒。
4 スクリーニング法: 大量の候補の中から対象を効率的に選別する方法のこと。



