シリコン光回路を用いた光電融合深層学習プロセッサの開発

竹中 充

国立大学法人東京大学 大学院工学系研究科 電気系工学専攻
教授

竹中 充

※ 所属・役職等は応募時点の内容です

研究概要

竹中氏は、化合物半導体※1や相変化材料※2、二次元材料※3などの異種材料をシリコン光回路に集積したデバイスを実現し、光電融合深層学習プロセッサ※4に応用することを目指している。再構成可能なシリコン光回路(プログラマブル光回路)※5を用いた深層学習プロセッサは高速、低消費電力、低遅延で積和演算を実行できると期待されており、半導体微細化に依らず人工知能(AI)の性能を向上可能な次世代コンピューティング技術として世界中で研究が進められている。
しかし、実用規模のプログラマブル光回路においては、回路中の光位相※6の精密な計測・制御および、光演算結果を低消費電力かつ高速に光電変換して読み出す計測技術が極めて重要となる。
竹中氏は、化合物半導体や相変化材料をシリコン光回路に集積することで、光回路中の光位相や光強度を精密に計測・制御することに挑戦してきた。また、光回路上での誤差逆伝播※7による学習加速も可能な新たなプログラマブル光回路の実現に向けた研究にも取り組んでいる。これらの成果は、シリコン光回路を用いた深層学習プロセッサの早期実現に大きく資すると期待される。

1 化合物半導体:複数の元素で構成される半導体材料。異なる元素の組み合わせで高性能デバイスに使用される。
2 相変化材料:温度や圧力の変化によって物質の相(状態)を変える特性を持つ材料。
3 二次元材料:厚さが非常に薄く、表面が二次元的に構造化された材料。その厚さが原子や分子の単層や数層で構成される。
4 光電融合深層学習プロセッサ:光回路と電子回路を組み合わせた特殊な情報処理を行うために設計された集積回路。
5 再構成可能なシリコン光回路(プログラマブル光回路):プログラムによって光の流れを制御できるシリコン製の回路。
6 光位相:光の波の位置や進行方向の情報。
7 誤差逆伝播:ニューラルネットワークの学習手法で、誤差を逆方向に伝播させて重みとバイアスを調整することで、正確な出力を実現する方法。
1 化合物半導体:複数の元素で構成される半導体材料。異なる元素の組み合わせで高性能デバイスに使用される。
2 相変化材料:温度や圧力の変化によって物質の相(状態)を変える特性を持つ材料。
3 二次元材料:厚さが非常に薄く、表面が二次元的に構造化された材料。その厚さが原子や分子の単層や数層で構成される。
4 光電融合深層学習プロセッサ:光回路と電子回路を組み合わせた特殊な情報処理を行うために設計された集積回路。
5 再構成可能なシリコン光回路(プログラマブル光回路):プログラムによって光の流れを制御できるシリコン製の回路。
6 光位相:光の波の位置や進行方向の情報。
7 誤差逆伝播:ニューラルネットワークの学習手法で、誤差を逆方向に伝播させて重みとバイアスを調整することで、正確な出力を実現する方法。

研究内容紹介動画