水環境や他の領域において主要分析対象を検出するための
ホウ素ドープダイヤモンド電極の開発
ウォーリック大学 化学科
助教授
ターニャ・ルイーズ・リード氏
※ 所属・役職等は応募時点の内容です
研究概要
環境水・飲料水の水質計測において溶存酸素、pHおよび重金属は重要な環境指標であり、その迅速でかつ正確な測定は欠かすことはできない。 しかし、従来のセンサーでは測定に要する時間や耐久性に課題があった。 そこでリード氏は、ホウ素ドープダイヤモンド(以降、BDD)※1電極を用いて溶存酸素濃度と pH を同時に測定可能なセンサーと、電極の局所的なpHを 制御しつつ重金属を測定可能なセンサーを開発した。 BDD 電極表面に部分的に特殊なレーザー加工を施すことで、溶存酸素濃度とpH を同時にかつ短時間に測定することができる堅牢なセンサーの開発に成功した。 さらにディスク型BDD電極の周囲にリング型BDD電極を配置したリングディスク電極を開発することで、リング電極表面における水の電気分解により発生する水素イオンの流束によって、ディスク電極の局所的なpH を定量的に制御しつつ、重金属を測定することに成功した。 これにより、従来のセンサーでは必要とされた試料の前処理が不要となり、迅速でかつ正確なリアルタイムモニタリングを実現可能にした。 これら技術は、単に環境分野だけでなく医療分野など幅広い分野の分析にも貢献することができる。