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レーザー干渉計によるプラズマ電子密度計測の高速・高精度化

占部 継一郎氏

京都大学大学院 工学研究科 航空宇宙工学専攻

助教 占部 継一郎氏

※ 所属、役職等は受賞当時のものです

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研究概要

半導体製造プロセスに用いられる熱的に平衡していない状態のプラズマ(※1)は、電子の衝突による電離(※2)・励起(※3)がプラズマ状態の持続や化学反応に影響を与えるため、プラズマ中の電子密度を測定することは重要である。

しかし、電子密度を測定する手法の一つであるレーザー干渉計(※4)には、近年に開発されているプラズマ源に対して、時間・空間分解能や検出感度などが十分ではないという課題がある。

占部氏はレーザー干渉計とミリ波吸収法(※5)を組み合わせ、近赤外レーザーと顕微鏡を用いた干渉計などを開発し、電子密度計測の高速化、高空間分解能化、高電子密度分解能化を実現した。

将来的には、開発されたレーザー干渉計が半導体プラズマ装置に組み込まれ、プロセスの最適化やプラズマ異常の検知を実現し、半導体製造プロセスの高精度な制御や歩留まり向上に貢献することが期待される。

※1 気体を構成する分子が電離しイオンと電子に分かれて運動している状態
※2 原子や分子が電子を放出または取り入れてイオンになること
※3 原子や分子などが外部からエネルギーを得て、高いエネルギーをもつ状態に移ること
※4 一つの光源から出るレーザーを二つまたはそれ以上に分け、再び集めた時にできる干渉縞(位相差)を観測して、状態を調べる装置
※5 ミリ波をプラズマに照射し、それに対する反応を計測する手法