趣意書

2018年 堀場雅夫賞 趣意書

堀場雅夫賞は、国内外の大学または公的な試験研究機関において、分析・計測およびその応用に関する科学技術分野で顕著な業績を挙げつつある研究者・技術者を奨励表彰するものです。

第15回にあたる2018堀場雅夫賞の募集テーマは「半導体製造プロセスにおける先端分析・計測技術」です。

蒸気機関の発明による第1次産業革命、電気と石油による大量生産の第2次産業革命、コンピュータによる自動化の第3次産業革命に続き、IoT(Internet of Things)とAI(人工知能)による第4次産業革命が始まっています。このような産業構造の大きな変革を支える礎として半導体の重要性はますます高くなっています。例えば、IoTやAIの技術を活用し、より良いサービス提供や生産性向上を実現するためには、多数のセンサを駆動させ大量のデータを生み出し、それらを適切に解析することが重要となります。そのためには、これらのセンサを駆動させるための半導体デバイスや、大容量データを処理できるプロセッサやメモリが必要となります。また、生産性向上の視点では、生産工程の更なる自動化や最先端のロボット技術の導入が求められ、そこに搭載される種々のセンサに対応できる多種多様な半導体デバイスが求められるようになります。さらに、電力インフラの効率化や自動車の電動化を見据え、電力損失を低減するより高性能なパワー半導体の開発も不可欠です。このように、半導体デバイスは産業技術の鍵を握る存在として、その重要性はさらに高まっているともいえるでしょう。

これらのニーズに応える次世代の半導体デバイスにおいては、デバイスの微小化、性能や信頼性の向上を効率良く行えるプロセス技術が求められ、更には、これまで以上に歩留りや省エネルギーを追及した量産プロセスが求められると予想されます。一連のプロセスにおいて、基板上への薄膜形成プロセスやエッチングプロセスは、デバイスの性能や信頼性に大きく寄与する重要な工程であり、より緻密な制御が求められます。例えば、薄膜形成プロセスが行われるチャンバーを取り巻くモニタリング・コントロール機器から出力される膨大なパラメータを薄膜形成プロセスへフィードフォワード、フィードバックするプロセスコントロール技術の開発が期待されています。すなわち、分析・計測技術と制御技術とが高度な次元で有機的に結びつくことが、半導体の進化に必要だといえます。

2018堀場雅夫賞では、このような背景のもと、産業の発展に不可欠な半導体デバイスの製造プロセスの中でも特に重要な、薄膜形成プロセスやエッチングプロセスの高度化に寄与する分析・計測技術を募集対象とします。我々の生活に密接に関係する半導体デバイスの更なる革新を支える分析・計測技術について、独創的な研究開発に意欲的に取り組んでおられる国内外の研究者・技術者の応募を歓迎します。

2018堀場雅夫賞実行委員長
株式会社 堀場製作所
代表取締役社長
足立 正之

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