趣意書

2017年 堀場雅夫賞 趣意書

堀場雅夫賞は、国内外の大学または公的な試験研究機関において、分析・計測およびその応用に関する科学技術分野で顕著な業績を挙げつつある研究者・技術者を奨励表彰するものです。

私たちが生きていくうえで、「水」が非常に大切であることはいうまでもありません。水にまつわるさまざまな現象を正確に知ることは、私たちの生活において画期的な質の向上につながる可能性があります。第14回にあたる2017堀場雅夫賞の募集テーマは、「人の生活を豊かにする水計測」です。

私たちは、飲料水・食品・農作物・医薬品だけでなく、海や川などの環境水を通して、直接的または間接的に「水」と関わっています。近年、産業発展や人口増加によって水需要が増える一方、水汚染による飲用水供給量の減少が指摘されています。持続可能な発展を維持するためには、水に関わるイノベーションを通じて、産業廃水などによる水汚染と環境破壊を軽減し、飲料水や食糧生産を安定的に確保できる社会を構築することが必要です。また、産業の発展にも水は欠かせないものです。病院や医薬品、食品の生産で用いられる純度の高い水の生産、水からの資源回収、各種素材やデバイスの生産で用いられる液体など、目的に応じた水の計測と制御は、産業の価値向上や安定的な生産のためにも重要です。さらに、産業水においては、水の循環に悪影響を与えないよう適切な処理をする義務があります。

水の持続的供給の実現には、客観的かつ定量的な水の評価がより一層求められるようになります。そのためには、どこでも誰もが簡単に水の計測を行えることが重要となります。さらに、得られた多くのデータを解析して新たな価値を生み出す情報処理技術も、同時に革新されることが必要です。近年、情報処理技術の発展により、膨大な情報が手間をかけることなくリアルタイムに得られ蓄積できるようになりました。その中から必要な情報を抽出し集約することで、新たな価値を生み出す技術も必要となります。すなわち、革新的な計測技術と解析技術を複合してゆくことが特に重要となります。

2017堀場雅夫賞では、このような背景のもと、我々の生活に密接に関係する「水」に関する分析・計測・解析技術について、独創的な研究開発に意欲的に取り組んでいる国内外の研究者・技術者の応募を歓迎します。

2017堀場雅夫賞実行委員長
株式会社 堀場製作所
専務取締役 開発本部長
足立 正之

PAGE TOP