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動的超音波散乱法による懸濁微粒子溶液のダイナミクス解析

則末 智久氏

京都工芸繊維大学 大学院工芸科学研究科

准教授 則末 智久氏

※ 所属、役職等は受賞当時のものです

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研究概要

溶液中に分散したナノ粒子の粒径や分散状態を計測するには、試料にあてた光が粒子によって散乱する様子をみる「動的光散乱(DLS)法」が一般的である。

ただし、粒子濃度の高い不透明な試料では光が透過しないため、DLS法の応用は困難であった。

則末氏は、光の代わりに「超音波」を試料に照射する「動的超音波散乱(DSS)法」をこのような高濃度試料に適用し、さらに当初マイクロメートル(μm)オーダーであった検出下限を数十ナノメートル(nm)まで伸ばすことに成功した。

加えて、超音波を様々な波長成分に分解することで、空間情報の取得や運動様式の識別も可能である。

この研究は、インクや半導体粒子、機能性ゲルなど不透明な分散系の構造・分散状態の解析への応用が期待される。