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DNAをセンシング素材として用いた細胞内pH測定法の開発

杉本 直己氏

甲南大学 先端生命工学研究所(FIBER) 所長 / 理工学部機能分子化学科

教授 杉本 直己氏

※ 所属、役職等は受賞当時のものです

論文要旨

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本研究ではDNA(デオキシリボ核酸)が形成する二重らせん構造の安定性とpHの関係を検討し、得られた熱力学的データを基に生体には存在しないと考えられていた新規pH感受性のDNA構造を見いだした。更に新たに見いだしたpH感受性DNAをpHセンシングのための新規素材としてとらえ、蛍光共鳴エネルギー移動 (FRET: fluorescence resonance energy transfer)と組み合わせることでDNAを検出媒体とした世界でも類のない細胞内のpHを測定できるpHセンサを開発した。本稿では核酸を材料として用いたpHセンサの原理及び応用例を紹介する。

*1甲南大学先端生命工学研究所、*2株式会社I.S.T

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研究概要

DNA(デオキシリボ核酸)を検出媒体とした世界でも類のない、細胞内のpHを測定できるpHセンサーを開発。

生体分子をセンサーの素材として活用する試みは、ナノテクノロジーやバイオテクノロジーの分野で注目を集めており、本pHセンサーは、簡便に細胞内のpH測定ができるため、癌の早期診断やアポトーシス(細胞死)検出のための新しい診断システム開発に発展すると期待される。