ダイヤモンド電極を用いた選択的センシングを指向した電極設計

渡辺 剛志氏

慶応義塾大学 理工学部化学科

特任助教 渡辺 剛志氏

※ 所属、役職等は受賞当時のものです

論文要旨

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電気化学センサは簡便性や感度の面で大きな利点を有する一方で,実サンプル計測においては夾雑物を除くための前処理を要するなど,対象物質への選択性の向上が課題となっている。一方で,ダイヤモンド電極は広い電位窓や小さなバックグラウンド電流といった特徴から,電気化学センサとしての応用が期待されている。本研究では,ダイヤモンド電極を基盤とした電極構造のデザインにより,電極近傍の物質の拡散を制御することで電気化学センサにおける選択性の向上に成功した。

Boron-doped diamond possesses excellent electrochemical properties for electrochemical sensors. However, electrochemical sensor usually faces a problem of selectivity to a target analyte. Real samples such as environmental water and blood contain various substances including not only target species but also interfering species. To avoid the influence of interfering species, a troublesome pretreatment of sample is often required. Therefore, simple and quick selective sensing system without pretreatment are desired. The design of diffusion layer based on the designing configuration of electrodes is an effective approach for enhancing selectivity. In this study, electrode configurations using boron-doped diamond were designed and utilized for implementing the concept of controlling diffusion by respectively different electrochemical techniques.

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研究概要

ダイヤモンドは本来電気を通さない物質であるが、ホウ素を混ぜ込むことで導電性を示すようになる。

この性質を利用するダイヤモンド電極は、白金や金を使用する従来型の電極に比べ、より多くの物質を高感度測定できる次世代の電極材料として幅広い応用が期待されている。

一方で、従来電極と同様、溶液中の検出対象物質への選択性が課題とされ、測定を妨害する成分を事前に除去する必要がある。

渡辺氏は、ダイヤモンド電極に金属を埋め込む独自手法を採用することにより、電極近傍での反応物の拡散を制御し、検出対象物質に対する選択性を向上させることに成功した。

この研究は、環境中の重金属の測定などへの応用が期待され、前処理不要の高感度計測を実現する携帯型測定器実用化への貢献が見込まれる。

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