細胞を用いたラベルフリーバイオセンサー及びバイオチップ -医療診断や食品安全性評価への切り札となり得るか?-

ヨアン ルピオ氏

フランス国立科学研究センター

研究員 ヨアン ルピオ氏

※ 所属、役職等は受賞当時のものです

論文要旨

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過去20年間,システムの微小化への関心はますます高まっている。特に食の安全,環境問題,医療機器の分野において,バイオセンサーやバイオチップが世界中で開発され,新規性に富み,高速,安価で,信頼性が高く多機能なツールが医療関係者に提供されている。2005年以来私は,リアルタイム測定データ等,従来法では得られなかった新たなデータがとれるバイオチップの設計及び製作を目的としたいくつものプロジェクトを率いてきた。その成果である,SPRイメージングを用いた,生きている細胞のリアルタイム分析に適した小型システムを提案する。我々の研究室では,その小型バイオチップ上で,細胞を直接捕捉する技術,また特定の細胞種をコントロールしながら放出させる技術に加え,細胞に分泌活動をさせることに成功した。

Miniaturized systems are gaining increasing interest since the last two decades. In the specific case of food safety, environment issues and medical applications, Biosensors and Biochips are developed worldwide to propose new, fast, cheap, reliable and multiplexed tools for Physicians. Since 2005, I am leading several projects focused on the design and fabrication of Biochips yielding new kinds of data. To that end, we are proposing miniaturized systems suitable for real-time analysis - by Surface Plasmon Resonance (SPR) imaging- of living cellular sample. Direct capture, controlled release of specific cell type, and more recently secreting activities have been successfully carried out in our Laboratory on these miniaturized devices.

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研究概要

Roupioz氏は、電気化学的手法によってチップ上に抗体アレイ*1を形成し、表面プラズモン共鳴イメージング*2によって血中細胞や細菌を無標識で検出する手法を開発した。

さらに、微細加工技術で形成したマイクロペンシルを用いて直径 5~10μm程度の微小範囲に抗体をアレイ化する技術を開発し、超小型チップによる細胞の検出を実現した。

現在は、この技術を応用し、さまざまな細胞をリアルタイムで識別する技術などを開発中である。

医療・食品・環境分野において重要な次世代の細胞検出技術として、今後の進展が期待される。

*1  抗体アレイ: チップ上で抗体を配列させて固定化したもの。
*2  表面プラズモン共鳴イメージング: 金属箔膜上に固定した分子に他の分子が結合した場合に、薄膜を通して当てた光の屈折率が変わる現象(表面プラズモン共鳴)を用いた、試料状態の画像化技術。

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