レーザー分散効果を応用した大気中の反応性化学種の高感度その場計測技術

ジェラード ヴィソッキ氏

米国 プリンストン大学

助教 ジェラード ヴィソッキ氏

※ 所属、役職等は受賞当時のものです

論文要旨

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理想的な高感度分光検出法として,従来の直接的レーザ吸収分光法の簡便さ・堅牢さに,化学発光や光音響分光法のような間接的分光検出の利点である,高感度でバックグラウンドの影響を受けない点を兼ね備えた分光法が考えられる。 ただし,直接・間接両分光法に共通する,無輻射失活や,振動-並進緩和といった検出過程に起こる物理現象の回避が課題となる。分子の異常分散検出が,これらの物理現象を回避し理想的な分光検出法を実現する有望な手法と考えられる。 私の研究は,バックグラウンドの影響やレーザ強度のゆらぎのない,新たな分散検出手法開発に焦点を当てたもので,第一原理に基づく標準ガス不要の校正と,広いダイナミックレンジの濃度測定を可能とする技術の開発です。分散分光技術を使った測定例も紹介する。

An ideal solution for sensitive spectroscopic sensing would be an optical method that combines simplicity and robustness provided by conventional direct laser absorption spectroscopy with high-sensitivity and backgroundfree nature of indirect spectroscopic sensing approaches (such as chemiluminescence or photoacoustic sensing), while avoiding common problems with induction of intermediate physical processes (such as nonradiative quenching or slow V-T relaxation). Molecular dispersion sensing is a very promising approach to achieve these goals. This research work is focused on development of new dispersion sensing techniques, which provide background-free measurement capability that is also immune to laser power fl uctuations, offers gas-free calibration based on fi rst principles, and enables high dynamic range concentration measurements. Examples of dispersion spectroscopy techniques currently under studies will be given here.

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研究概要

試料大気に磁場をかけ、量子カスケードレーザー(QCL)を用いて常磁性の分子をファラデー回転分光で検出するという、斬新かつ画期的な技術を開発した。

この手法によりバックグラウンドシグナルを低減させ、一酸化窒素(NO)0.38ppbの検出感度を持つ技術の確立に至った。

この技術を応用して小型化したワイヤレス微量ガスセンサを用いて、広い地域をカバーする観測ネットワークの試験を実施している。

高感度のガス分析計の基礎技術の応用だけでなく、広域モニタリングに発展する可能性が期待される。

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