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超高感度小型全反射蛍光X線分析装置の開発

国村 伸祐氏

京都大学大学院 工学研究科 材料工学専攻

日本学術振興会特別研究員 国村 伸祐氏

※ 所属、役職等は受賞当時のものです

論文要旨

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豆電球と同程度の消費電力の微弱X線源およびX線導波路を利用して小型軽量な全反射蛍光X線分析装置を設計,開発した。全反射蛍光X線分析法では,入射X線を単色化して用いることで検出感度を向上させることができると考えられ,極微量元素を分析するために強力なX線源を用いる必要があると考えられてきた。この定説に反して,本装置では微弱なX線源からのX線を単色化せずに用い,さらに試料量を少なくすることで,単色シンクロトロン放射光に迫る10 pg(10-11g)の検出下限を達成した。

研究概要

全反射蛍光X線分光法では単色X線を用いた方が高感度であるという常識を覆し、数WのX線管を用いた多色X線の場合では放射光を用いた全反射X線分光法に迫る高感度化と小型化が可能であることを見出し、この結果を基にハンディー全反射蛍光X線分光装置を開発した。

本装置は、半導体プロセスのインライン分析装置としての可能性を有しており、この分野への展開に向けてさらなる技術開発が期待される。