半導体表面の無機/有機物計測のための新しいソフトイオン化技術を用いた大気圧グロー放電飛行時間質量分析計の開発および評価

ホルヘ ピソネロ氏

スペイン オビエド大学

准教授 ホルヘ ピソネロ氏

※ 所属、役職等は受賞当時のものです

論文要旨

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新しく革新的な「ソフトイオン化技術」を,迅速かつ簡単で,信頼性が高く,頑丈な質量分析計と組み合わせることにより,ほとんど表面の損傷なしに,試料表面の無機/有機化合物の直接分析を行うことができる強力な計測技法を開発した。この手法は,半導体表面の直接分析に際し,試料の前処理をほとんど又は,全く必要としない,新しい「研究分野」を開く可能性がある。本プロジェクトでは特に大気圧グロー放電(AP-GD)を提案している。Heガスを使用しHeの準安定種の流れを発生させ,それを放電箱の外部に移動させ,次に試料表面に導くことができる。そして,準安定種と大気ガス成分との反応が反応剤イオンの生成をもたらし,それが試料表面成分の脱着/イオン化を起こす。その後,生成したイオンを飛行時間型質量分析計(TOFMS)に移動させ,陽イオンと陰イオンの両方を検出し種の同定と定量化を可能とする。AP-GD-TOFMSは迅速かつ簡単で,信頼性が高く頑丈な分析方法として有望であり,半導体試料(すなわち,光起電シリコン)表面に存在する無機/有機化合物の直接分析が可能である。空間解像度は試料表面のマッピングを含めmm2の桁まで可能であり,フェムトモルレベルの検出限界も達成しうる。

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研究概要

固体表面の前処理なしでかつ、大気圧グロー放電を利用してサンプルにダメージを与えないソフトイオン化技術を採用した飛行時間質量分析計を開発した。

本分析計のシリコン表面における質量分析の検出限界は非破壊計測でありながら~10ng/gに到達しており、破壊法で高感度の二次イオン質量分析計に迫るレベルである。

単結晶、あるいは多結晶シリコンなどの表面の非破壊質量分析を高速・高感度で行うことが可能であることから、今後この分析計が半導体デバイス、さらには太陽電池の製造工程における非破壊コンタミネーション計測に大きく貢献することが期待される。

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