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微細流路デバイスにおけるT-リンパ細胞の迅速分析

カルバートソン クリストファー氏

米国カンザス州立大学

カルバートソン クリストファー氏

※ 所属、役職等は受賞当時のものです

論文要旨

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我々は,マイクロ流体素子上で非接着性の単細胞を培養し分析するための技術を開発している。このマイクロ流体素子を用いると,1個の細胞を数日間かけて20,000個にまで培養することができる。培養細胞は,細胞分裂のたびに娘細胞の一つが遊離し,下流で分析できるように配置されている。遊離した娘細胞はチャネルマニフォールド内を移動するが,そのチャネルマニフォールド内で外部刺激を与えて反応させ,その反応の様子を観察する。娘細胞はその後培養され,チップ領域に運ばれ,そこで溶解される。その溶解物は分離され,測定対象のマーカーが検出され数値化される。

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研究概要

微小流路デバイスを利用することにより、T-リンパ球の培養、1細胞の操作、細胞溶解、内容物の分離分析のすべてが行えるデバイスを実現した。

このデバイスは複数の微細流路を機能的にデザインしたチップであり、微細化の効果により従来の技術に対して分離の高効率化、強電場の利用が可能である。

本研究のアプリケーションとして細胞中の酵素活性のモニターと酵素活性化の研究を目指している。

また、将来的には生体細胞と病気との関連に分析することにより、癌などの病気の初期段階を検査できる可能性がある。