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種々の環境試料や文化遺産試料における主成分並びに微量成分のX線による化学種の同定

Dr. Koen Janssens

University of Antwerp

Dr. Koen Janssens

※ 所属、役職等は受賞当時のものです

論文要旨

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蛍光X線分析(XRF)は多種多様な物質の無機分析に広く使用されている一般的な分析法である。顕微鏡分析能力(μ-XRF)を備えた小型のED-XRF装置はさまざまな形で利用することが可能である。ラマン分光法(RS:Raman Spectroscopy)は、極めて特別な分子分析法で、多くの無機・有機化合物類の識別に適した優れた方法であることが実証されてきた。また、ラマン分光装置の小型軽量化も進んでいる。上記の2つの分光法を1台の小型XRF/ラマン複合型装置に組み込むべく、XRFとラマンによる試料表面の同一領域の同時測定を可能にする照射及び検出のジオメトリが設計された。文化遺産部門での顔料関連の調査における本装置の有用性を実例をもとに説明する。

*University of Antwerp

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研究概要

X線管及び放射光を光源とする微細X線ビームを用いた分析装置並びに分析方法の開発を行なった。

それにより、ローマから中世のガラスなどの微小な文化遺産や、放射能汚染された地域の微粒子などの環境試料の分析に成果をあげた。

また、相補の関係にある蛍光X線分析法とラマン分光法とを組み合わせた共焦点式ポータブルラマンX線装置を開発し、試料表面の化学種の情報が得られるようになり、犯罪捜査の物的証拠や土壌などの環境試料、文化遺産などの現場における物質の同定に非常に有用であることを実証した。